2012年9月12日水曜日

覚悟。


 日常、輸入食材が多いのは、特段、西洋かぶれだからではない。現状を見比べて「よりまし」であるものを選抜した結果だ。

 元々、和食と呼ばれる食品の原材料である、大豆や小麦粉はほとんどが輸入に頼っている。輸出国が生産する穀類の多くは、遺伝子組換えによる品種で、残留農薬の基準値も、自国消費のそれよりも緩くなっている。極論すれば、和食の名の下に、持ち込まれた毒を食んでいるといってもいい。

 残留農薬、遺伝子組換え、内分泌撹乱物質、底質汚染。口に入るものに対してつけるケチなど、言いだしたらきりがない。ちょっと前ならみんなして、保存性の高い食品や、廉価な輸入食材を蛇蝎の如く嫌っていた。それがどうだ。

 リスクの程度よりも、「危険性の流行」に眼を奪われて、元の問題は置いてけぼりだ。

 騒ぐ問題の対象はコロコロ変わるが、騒ぐ連中はいつも同じ顔ぶれだ。 要は輸入された毒を食うか、汚染された飯を貪るか、それだけの違いだ。

 大事なのは覚悟。守るべきもののために何を採り、何を捨てるかという覚悟。なにもかも選ばないというのなら、その覚悟も必要。たえず変化を続けて、生き残らなければ、何も遺せない。